札幌は明治になるまで、またそれ以後もアイヌ民族の暮らしの場であり続けてきました。そこで明治2年を境に、開拓と称する植民地化が始まり、アイヌから土地や生きていく糧や言葉や文化やあげくのはてには祖先の遺骨まで奪われていきました。現在ではアイヌというと白老や二風谷、旭川、阿寒といったイメージがありますが、この札幌にも確かにアイヌ民族の歴史があるのです。
人が生きているということは周りの森羅万象と共に生きているということです。そこに生物と無生物の境界線や区別はありません。風景が生きているともいえるでしょう。このことを「いのちの風景」という言葉で表して、サッポロのいのちの風景をめぐる旅をしていきましょう。