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アイヌ・コタンのある風景と遺骨の帰還

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サッポロの4つのアイヌ・コタン

 現在の札幌市中心部に、明治初期までアイヌのコタンがありました。そしてそのコタンでの生活を支えるイオル(漁撈や狩猟、山菜・樹木の採集などを行って暮らしに必要な恵みを得る領域)が広がっていました。では、そのコタンはどこにあったのでしょうか?

 加藤好男氏はその調査によって、19世紀末(幕末・明治初期)のサッポロ中心部には4つのコタンがあったことを明らかにしています。それらの位置とそれを記した図をここではご紹介します。

 なお、このサッポロ編の「B コトニ・コタンへの旅」は、あるコタンの位置を探っていく筋立てです。ここから先はその「ネタバレ」となりますから、それを避けたい方はまずコンテンツ「B コトニ・コタンへの旅」を読んでから、このページに戻ってきてください。

 さて、加藤好男氏(2017a)が明らかにした、幕末・明治初期のサッポロ中心部にあったと思われる4つのコタンを、西から現在の札幌市の住所表記と共に挙げます。これらの位置は、当時の文献と現在の地図とを比較した推定であることを申し添えておきます。

  • ハッサムのコタン(西区琴似4条1丁目付近)
  • コトニのコタン(北区北7~8条西9~10丁目付近←加藤2017bで修正した位置。なお、宮坂省吾氏はそれより西側の北8条西11丁目付近と推定しています。 B-6 コトニ・コタンの位置)
  • 上サッポロのコタン(中央区北2条東1丁目付近)
  • フシコサッポロのコタン(東区北9条東9丁目付近)

 これを地図に落とすとこのようになります。

幕末・明治初期のサッポロ中心部のコタンの位置(加藤2017a)

 この地図には「その他、札幌近郊のカマヤウス(1~2戸)やエベツフト(5~6戸)にもコタンはありましたが、今回は省略」と注記されています。

 この加藤氏の調査に基づいて、北海道新聞編集委員(当時)の小坂洋右氏が「明治に消滅 アイヌ民族の集落 コタン 札幌の一等地に」という記事を執筆しました(北海道新聞朝刊2017年9月14日)。この記事に付された地図には当時の川と、「水のわき出しやその泉池(メㇺ)」も表記され、これらのコタンが川のそばにあったことがわかります。(コトニ・コタンの位置は、以下の図よりももう少し左側、セロンベツ川沿いにしたらよいでしょう。)

札幌の大まかな地形・古河川と明治前期のアイヌ集落(コタン)(北海道新聞朝刊2017年9月14日)

 現在の札幌市で、これらのコタンの位置を訪ねてみると、それらの跡を示すものは何もなく、代わりにアスファルトの道路とコンクリートの建物が広がっています。コタンの傍らの川すらも涸れてしまっています(唯一、「ハッサム川」が琴似発寒川として今でも流れています)。140年余りの「開拓」が変えたもの、変わらなかったものは何か、当時そこに広がっていた風景、そこに暮らした人々の姿を思い起こしながら、時を越える旅をしてみましょう。

参照文献

  • 加藤好男2017a『19世紀末のサッポロ・イシカリのアイヌ民族』サッポロ堂書店
  • 加藤好男2017b「『19世紀末のサッポロ・イシカリのアイヌ民族』に於けるサクシュコトニのコタンの位置についての補論」(弊書、出版記念会ミニシンポジウムの小講演配布資料、2017,8,24)、私家版
2022年03月19日更新
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