ペルー アヤクチョ

武力紛争で奪われた家族の記憶

B-10 ディーナクレセンシアシンチトゥージョロハスさん

犠牲者
ディナ・クレセンシア・シンチトゥージョ・ロハスさん
証言者
ネリダ・ロハス・デ・シンチトゥージョさん

 ディーナ(当時17歳)さんはワンタにあるゴンサレス・ビヒル校の生徒だった。1982年のある日の午前0時、複数の警官が彼女の家に乱入し、ディーナさんとその妹を連れ出した。目出し帽を被った男がディーナさんを連れて行くように指示した。母親は、数ブロックにわたって男達を追いかけたが、撃ち殺すぞと脅されたためやむなく引き返した。

 翌日の午後4時頃、母親のネリダさんはディーナの服を持って警察署へ向かった。娘に会いたいと申し出ると、ここには連れて来られていないと言われた。ワンタの検察庁事務局でも同様の返事を受け、それ以降のディーナさんの行方は今もわかっていない。

 ディーナさんは、姉のエスペランサさんから編み物を教わった。ディーナさんは母親にセーターを買ってもらったがそれが気に入らず、ほどきなおしたその毛糸でこのセーターを編んだ。

 写真のスカートは、母ネリダ・ロハスさんがディーナさんのために購入したもので、ディーナさんはスカートをはいてマイナイの祭に参加した。スカートの釣り紐はディーナさん自身が縫ったもの。

⇒証言(ネリダ・ロハス・デ・シンチトゥージョさん)へのリンク

2022年03月22日更新