ペルー アヤクチョ

武力紛争で奪われた家族の記憶

C-5 イグナシオタルキハヨさんを追悼する

犠牲者
イグナシオ・タルキ・ハヨさん
証言者
マリア・エレーナ・パリオナさん

父を追悼する石

 イグナシオは1988年5月14日、カジャラ村のケチュアという集落でトウモロコシの収穫中に、村を襲ったおよそ50名の兵士達によって殺害された。

 殺害後、遺体は軍によってカジャラから約80km離れた場所まで馬で運ばれたと言われており、その行方は現在に至るまでわかっていない。

 イグナシオには、妻フローラ・パロミノ・デ・タルキと7人の子ども達がおり、末娘(マリア・エレーナ・パリオナ)はわずか1歳7か月であった。

 イグナシオは、妻や子ども達の幸せのために一生懸命働き、沢山の子ども達のコンパドレ(代父)を頼まれるなど、親戚や近所の人からもとても信頼される人柄だった。写真の前に捧げられた石は、娘のマリア・エレーナさんが父を追悼するためにリマの民芸品店に作らせたものである。

⇒ビデオメッセージ(マリア・エレーナ・パリオナ)さんへのリンク

 

2022年03月18日更新