ペルー アヤクチョ

武力紛争で奪われた家族の記憶

B-7 アイデサクサラパリオナさんと弟のラウルさん

犠牲者
アイデ・サクサラ・パリオナ(16歳)さんと弟のラウルさん(14歳)
証言者
ヴィクトリア・パリオナ・デ・サクサラさん

アイデ・サクサラ・パリオナさんと 弟のラウルさん

 アイデとラウルは、ウアマンガのロス・リベルタドーレス校で、それぞれ中等部の第2学年と第1学年で学んでいた。母親のヴィクトリア・パリオナは未亡人で、2人の他に4人の幼い子ども達がいた。

 アイデは母親の家事を手伝い、弟や妹の面倒を見ていた。日曜日になると、ラウルは中央広場で靴磨きをして家計を助けていた。

 1984年10月31日午後5時、アイデと弟のラウルが学校から帰ってきて家で遊んでいると、見知らぬ男が追跡から逃れて家に飛び込んで来た。追ってきた兵士達がその男との関係を疑い、ラウルとアイデも連行されてしまった。その時母ヴィクトリア・パリオナはリマにいた。

 ヴィクトリアは11月3日に帰宅し、ロス・カビートス兵舎に子ども達を引き取り行ったが、来ていないと言われた。その夜、ヴィクトリアは「ママ、どうして兵舎のドアを押してくれなかったの?そこに私は座っていたのに」とアイデに言われた夢を見た。11月30日、集団遺体遺棄現場で拷問の痕跡のある子ども達の遺体を発見した。

⇒証言(ヴィクトリア・パリオナ・デ・サクサラ)

2022年03月18日更新