カナダ ユーコン

大学と先住民族との共働

2.2.3 脱植民地主義のためにだれもが取り組めること

報告書の”Calls for Justice(正義の要求)”には、すべてのカナダ人が取り組めることとして、次のような提言が含まれています。私たちも、日本の植民地化政策と少数者差別に関連して、自分のこととして受け止めるべき内容ではないでしょうか。

  • 先住民族の女性・少女、および性的少数者 2SLGBTQQIA の人々に対する暴力に反対の声を上げ、非難すること
  • カナダの歴史および自分の住む地域の先住民族の歴史を知ることにより、脱植民地化を図ること。
  • この最終報告書を読み、知識を得ること。
  • 差別や暴力を受けてきた人たちを力強く支援し、差別を生む障壁を取り払うための行動を起こすこと。
  • 人種差別、性差別、無視、同性愛嫌悪、トランスジェンダー嫌いなどに抗議し、身近な人にもこうした考え方を伝えていくこと。
  • 人間としての敬意に基づく関係を築き、親切・愛・尊敬の念をもって多様性を受け止めること。  他
ホワイトホースで2019年7月に開催されたAdäka Cultural Festivalにて。コミュニティの伝統ダンスグループに入っていると聞いていた元クラスメイトのカラ(Kara)を見つけ、誇らしくて一緒に写真を撮ったところ。顔の黒い手形を見て、「伝統的な化粧ではないよね?」と無知な質問をしてしまった私に、「これは声を上げることのできない女性からの抗議を示しているんだよ」とやさしく教えてくれました。 かつては先住民族のアイデンティティに苦闘してきた彼女は、文化の継承や教育を通して、今ではこの上なく誇りを感じていると話します。そして、彼女の二人の子どもたちが同様に、彼らの中に受け継がれる先住民族の遺産を誇りに思えるようにと努めています。

Karaからのメッセージ

“I look back on that day because it was also my daughters 4th birthday, who danced with the same hand print on her face for any young girls who were taken from their families too soon. She dances with such pride and grace. While she makes me proud to be her mother, I know our ancestors are proud of her as well and protect her each day.” 

「この日は、娘の4歳の誕生日でした。娘もまた、あまりにも早く家族から引き離されてしまった幼い女の子たちのために、手形を顔に描いて一緒に踊りました。娘はなんて誇らしげに、美しく踊ったことか。彼女は私に母であることを誇りに思わせてくれますが、私たちの祖先もきっと私の娘のことを誇りに思い、日々、守ってくれているはずです。」

by Kara Shà Tlâ Lepine (Shà Tlâ は彼女の伝統言語インランド・トリンギットの名前で「母なる山」Mountain Motherを意味する)

2022年03月18日更新