カナダ ユーコン

大学と先住民族との共働

1.2 住民の4人に人が先住民族のアイデンティティ 14ネーション8つの言語

カナダ先住民族とは、ヨーロッパ人が北米大陸に到着する以前から当地に定住していた人々で、次の3つのグループに大別されます。

・ファーストネーションズ(First Nations):インディアンともよばれる。
・イヌイット(Inuit
・メイティ(Metis):白人とファーストネーションをルーツにもち、別個の先住民族としての帰属意識をもつ人々。メティスともいう。

「ファーストネーション」という用語に法的な定義はなく、1970年代からインディアンという表現の代わりに広く使われるようになってきました。民族の名前であると同時に、自治権をもつ集団としての「ネーション」や自治組織(または自治体)をさすこともあります。区別するために、このウェブサイトでは「ネーション」「自治政府」と表現します。 (参考 カナダ連邦政府 Library and Archives Canada )

カナダ全土では、先住民族と自認する人は全国民の4.9%、167万人以上です(2016年人口統計)。上図に示される通り、ユーコン準州はカナダ全体の平均より先住民族比率が高く、伝統的な土地権益の請求などの課題解決において先駆的な地域です。
カナダの国としての公用語は英語とフランス語ですが、先住民族比率の高い北西準州は英仏語を含む11の言語、ヌナブト準州は英仏語を含む4つの言語を公用語としています。ユーコン準州は英語とフランス語のみを公用語としています。

▲先住民族(Aboriginal)を自認する人のカナダ各州における割合(出典 カナダ連邦政府 https://www.sac-isc.gc.ca/

ユーコン準州(以下、ユーコン)では、先住民族のなかでもイヌイットやメイティより圧倒的にファーストネーションの数が多く、また伝統的な生活圏(Traditional Territory)という観点でもファーストネーションの土地がユーコンのほとんど全土に広がっている(下図)ので、ここからは特に断りのない場合、先住民族という場合、ファーストネーションを念頭に話を進めます。ただしファーストネーションと一口にいっても、ユーコンには14のネーションがあり、それぞれに伝統的な言語や文化が異なり、異なるチーフがいて、それぞれ自治権をもっています。言語の点では、公用語にはなっていないものの、ユーコンにはファーストネーションの8つの言語グループがあります。8つの伝統言語は、いずれも程度の差こそあれ、消滅の危機にあります。ただし現在は学校教育に伝統言語が組み込まれ、流ちょうに話せるとまでいかなくても、いくらかは理解するとか、読むことはできるといった人の数が増えてきています。

▲ユーコンの各ファーストネーションの伝統的生活圏、およびInuvialuit(カナダ北極圏に住むイヌイット)と Tetlit Gwich’in(ユーコンおよび隣接の州にまたがり生活するファーストネーション部族)の土地 (出典 ユーコン準州政府 https://yukon.ca/Traditional_Territories_ENV.020.01.pdf
© 2020 Council of Yukon First Nations. ▲8 つの言語グループ ユーコン準州政府によって学校教育に組み込まれており、現在、Tagish以外は第二言語として小中学校で教えられている 1. Gwich’in(グウィッチン)  2. Hän(ハン)  3. Kaska(カスカ)   4. Northern Tutchone(ノーザン・タショー二)  5. Southern Tutchone(サウザン・タショーニ) 6. Tagish(タギッシュ)  7. Upper Tanana(アッパー・タナナ)  8. Tlingit(トリンギット)
2022年03月21日更新